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Block、人間とAIエージェントが協働するOSSプラットフォーム「Buzz」公開

30秒サマリー

  • ジャック・ドーシー氏率いるBlockが、人間とAIエージェントが同一ワークスペースで協働するOSSツール「Buzz」を公開
  • 分散型プロトコル「Nostr」採用でエージェントのID管理をベンダー非依存に設計、SlackやGitHubへの依存脱却を明言
  • モデル・エージェント非依存設計により、ClaudeやCodexなど任意のAIを組み込んで利用可能

何が起きたか

米Blockは2026年7月21日、オープンソースのコラボレーションプラットフォーム「Buzz」を公開した。チャンネル・スレッド・ダイレクトメッセージ・コードリポジトリ・自動ワークフローなど一般的なチームツールの機能を持ちつつ、人間のメンバーと同列にAIエージェントが参加できる設計が特徴だ。AnthropicのClaude Code、OpenAIのCodex、Blockが自社開発するgooseなど、任意のAIエージェントを組み込める。

Buzzは分散型プロトコル「Nostr」上に構築されており、参加者(人間・エージェント問わず)はそれぞれ自身に帰属する暗号鍵ペアを持つ。エージェントのアイデンティティはベンダー管理のAPIキーやプラットフォームアカウントに紐付かないため、Nostr対応の他システムをまたいで履歴・評価ごと移行できるとしている。

ジャック・ドーシー氏はXで「SlackとGitHubへの依存を減らすために作った」とコメント。Blockは多くの企業が少数プロバイダーの独自プラットフォーム上にエージェント基盤を構築していることで囲い込みや断片化が生じていると指摘し、「その場がオープンであるべき」との考えからBuzzを開発したと説明している。

現行バージョンは0.4.21で初期段階。ソースコードはApache-2.0ライセンスでGitHubに公開されており、無料で利用できる。macOS・Windows・Linux向けデスクトップアプリも提供中で、自前インスタンスの運用とBlockホスティング版の両方に対応する。

原典ハイライト

ドーシー氏は「人とエージェントのチームのための新しいグループチャットプラットフォームだ。SlackとGitHubへの依存を減らすために作った」とXでコメント。Blockは「あらゆる企業が人間とエージェントの協働の場を必要とするようになる。問題はその場がプロプライエタリなのかオープンなのかだ」と声明を出している。

出典: ITmedia AI+(報道)

So What?(なぜ重要か)

AIエージェントの業務組み込みが本格化する中、エージェント基盤をどの事業者に依存するかは戦略的リスクになりつつある。Buzzは「エージェントのID・履歴をベンダーから切り離せる」設計を前面に打ち出した初の主要OSSプラットフォームであり、既存SaaSへの依存度を意図的に下げる選択肢が生まれた点で注目される。OpenSSベースのエコシステムが育てば、AIエージェント市場における「囲い込みvs.オープン」の構図が鮮明になる可能性がある。

日本企業への示唆

日本企業にとって直近の実務的な示唆は二つある。第一に、AIエージェント基盤を特定ベンダーのSaaSに全面依存する前に、Buzzのようなベンダー非依存の設計がどこまで成熟しているかを評価するPoC段階に入る価値がある。第二に、エージェントのID管理と権限設計はガバナンス・内部統制の問題でもあり、暗号鍵ベースの検証可能なアイデンティティという設計思想を自社の要件定義に取り込むかどうか、IT部門と法務・コンプライアンス部門が早期に議論しておくべきだ。現行バージョンはまだ0.4.21の初期段階であり、即座の本番導入よりも動向監視と試験利用が現実的な対応といえる。

背景・経緯

Blockはジャック・ドーシー氏が率いる決済・金融テクノロジー企業(旧Square)。ドーシー氏はBluetooth P2Pメッセージングアプリbitchatなどオープンプロトコルへの関心が高く、Buzzもその延長線上にある。Nostrは検閲耐性を持つ分散型ソーシャルプロトコルで、ドーシー氏が以前から支持を表明していた技術基盤。AIエージェント活用においてSlack・GitHubなど既存プラットフォームへの集中が課題視される中、OSSでの対抗軸を提示した形だ。