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Google、ロボット向けAI「Gemini Robotics 2」発表――全身制御・指先作業・複数ロボット連携に対応

30秒サマリー

  • GoogleとGoogle DeepMindが2026年7月30日、ロボット向けAIモデル群「Gemini Robotics 2」を発表した
  • ヒューマノイドの全身動作制御や指先の細かい作業が可能になり、従来の上半身・テーブル作業限定から大幅に拡張
  • 一部モデルはすでにAPI公開済みだが、VLA版・On-Device版はアーリーアクセスパートナー限定提供にとどまる

何が起きたか

米GoogleとGoogle DeepMindは2026年7月30日(現地時間)、ロボット向けAIモデル群「Gemini Robotics 2」を発表した。3つのモデルで構成され、それぞれ異なる役割を担う。

「Gemini Robotics 2」は視覚・言語の入力をモーター制御に変換するVLA(Vision-Language-Action)モデルで、ヒューマノイドの足先から指先まで全身を制御できる。米Apptronikのヒューマノイドロボット「Apollo 2」を用いたデモでは、自然言語の指示に従って歩行・物体把持・棚への配置といった一連の動作を実行。同ロボットの5本指・22自由度のハンド「SharpaWave」を使い、ひも結びやジップロック袋の開閉も実演している。ただし動作速度には改善の余地があると公式に認めている。

「Gemini Robotics ER 2」はロボットの高次の思考を担う身体化推論モデルで、Gemini Live APIに統合され低遅延で動作する。処理のたびに動きが停止する問題を解消し、行動しながら次の手順を計画できる設計とされる。デモでは米Boston Dynamicsの「Spot」のAPIをER 2で制御し、自然言語の指示でポップコーンを搬送させた。作業進捗の5段階分類精度は57.4%、コーヒーを注ぎ終わる瞬間のような決定的な場面の特定精度は91.3%(平均絶対誤差0.96秒)を達成。大規模モデルに迫る精度を、計算コストを抑えつつ4倍の実行速度で実現したとしている。

「Gemini Robotics On-Device 2」はロボット本体上でローカル実行する軽量VLAで、形状・センサー・自由度が大きく異なる新しい双腕ロボットにも、200例未満のデータと数時間で適応できるとしている。安全面では新ベンチマーク「ASIMOV-Agentic」を公開し、危険な命令の拒否、作業実行可否の予測、不確実な場面での人間への判断要請などを評価する枠組みを整えた。ER 2はすでにGemini APIとGoogle AI Studioで開発者向けに公開されているが、VLA版とOn-Device版はアーリーアクセスパートナー向けにとどまる。

原典ハイライト

従来モデルはヒューマノイドの上半身・テーブル作業に限定されていたが、今回初めて全身動作の制御が可能になった点が最大の技術的進展。On-Device版は200例未満のデータと数時間で新型ロボットに適応できるとされ、汎用性の大幅向上を示す。安全性評価の新ベンチマーク「ASIMOV-Agentic」の公開も注目点。

出典: ITmedia AI+(報道)

So What?(なぜ重要か)

ロボットAIが「上半身・単純反復作業」から「全身・複数ステップ・自然言語指示」へと質的に進化した節目の発表といえる。ER 2がBoston DynamicsのSpotを自然言語で制御したデモは、既存のロボットインフラに高度なAI推論を後付け統合できる可能性を示しており、ロボット調達とAI活用の戦略を切り離して考えることが難しくなってきている。安全ベンチマークの公開は、産業現場での導入基準づくりにも影響する可能性がある。

日本企業への示唆

製造・物流・小売などでロボット導入を検討する日本企業は、ハードウェアの選定と同時に「どのAIモデルが自社のロボットに適応できるか」を評価軸に加える必要がある。On-Device版の少量データ・短時間適応の特性は、多品種少量生産や作業ライン変更が頻繁な国内製造業との親和性が高い。一方、VLA版・On-Device版はまだアーリーアクセス段階であり、商用展開のタイムラインは現時点では不明。先行してER 2をGemini API経由で試験導入し、既存ロボットとの連携可能性を検証するアプローチが現実的な第一歩となろう。また、Googleが公開した安全ベンチマーク「ASIMOV-Agentic」は、社内でのロボットAI導入審査基準を整備する際の参考指標として活用できる。

背景・経緯

Googleは以前から「Gemini Robotics」シリーズを段階的に展開しており、産業現場向けの「Gemini Robotics-ER 1.6」やローカル動作モデル「Gemini Robotics On-Device」の初期リリースなど、複数の前世代モデルが存在する。今回の「2」シリーズはその延長線上にある世代更新。Boston DynamicsやApptronikといった著名ロボットメーカーとの連携デモを実施しており、エコシステム形成を意識した展開が見られる。