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SaaS見直しを8割が実感、ガバナンス系はAI代替不可と6割超が認識——エイトレッド調査

30秒サマリー

  • AIの進化を受け、SaaSの見直しを「検討中」「実施済み」「必要性を感じている」と答えた担当者の合計が8割超に達した
  • プロジェクト管理・SFAが見直し筆頭候補の一方、ワークフロー・電子契約などガバナンス系はAI代替不可との声が6割超
  • SaaS導入失敗の約6割は「既存システムとの連携不全」が原因

何が起きたか

ワークフローシステム提供会社のエイトレッドは2026年4月22日、「AI時代に生き残るSaaSの条件に関する実態調査」の結果を公表した。調査は2026年3月31日〜4月3日に実施され、従業員100人以上の企業でAIを業務活用している情報システム・DX推進・経営企画部門の担当者107人が対象となった。

AIの進化を受けてSaaSの見直しを「現在検討中」とした回答は48.6%、「既に実施した」は15.0%、「必要性は感じているが未検討」が16.8%だった。これら三項目の合計は80.4%となり、8割超が何らかの形でSaaS見直しの必要性を認識または行動していることが示された。見直し候補の上位は「プロジェクト管理・タスク管理」(45.3%)、「営業支援(SFA)」(44.2%)、「Web会議・オンライン商談」(34.9%)だった。

一方、ガバナンスやコンプライアンスに関わるSaaS(ワークフロー・電子契約・監査対応など)については、「AIで代替できない・代替すべきでない」とする回答が計63.5%(「非常にそう思う」16.8%+「ややそう思う」46.7%)に上った。その理由として「AIの判断ミスが重大なリスクにつながる」(52.9%)、「承認・決裁には人間の判断と責任が必要」(50.0%)などが挙げられた。

「AI連携機能を持たないSaaSは今後淘汰される」との設問に対しては、「非常にそう思う」が15.0%、「ややそう思う」が55.1%だった。継続利用の条件として「AI連携機能」(43.9%)、「高いセキュリティとデータ保護」(40.2%)、「監査証跡・コンプライアンス対応機能」(34.6%)が上位となった。SaaSの導入・継続判断で過去1年以内に失敗を経験した割合は36.4%で、失敗理由の首位は「既存システムとの連携不全」(59.0%)だった。

原典ハイライト

ガバナンス系SaaSをAI代替不可と見なす理由として「ハルシネーションが起きた場合に履歴を追うことが非常に困難」「AIに任せ切りにすると責任の所在があいまいになる」という自由回答が寄せられており、信頼性・説明責任の観点からAI代替への根強い抵抗感が示された点が核心といえる。

出典: ITmedia AI+(報道)

So What?(なぜ重要か)

編集部の見方として、「SaaS is dead」という言説が国内でも現実味を帯びてきた一方、すべてのSaaSが等しくAIに代替されるわけではない。調査結果は、SaaSを「AIが肩代わりできる機能系」と「人間の判断・責任・監査証跡が不可欠なガバナンス系」に二分する視点を提示している。AI連携機能の有無がSaaSの評価軸となりつつあり、ベンダー選定・契約更改の基準が変わりつつある。

日本企業への示唆

編集部の分析として、日本企業の情報システム・DX担当者は、現在契約中のSaaSポートフォリオを「AI代替可能か否か」の軸で棚卸しすることが急務とみられる。プロジェクト管理やSFAは解約・統合の候補として費用対効果を再検証する一方、電子契約・ワークフロー・監査対応などガバナンス領域は継続・強化の方向で検討すべきと示唆される。また導入失敗の最大要因である「既存システムとの連携不全」(59.0%)を踏まえ、AI連携機能の評価と同時にAPI・データ連携の実装可否を選定段階で徹底検証することが、失敗コストの低減につながるだろう。

背景・経緯

生成AIの普及により「AIがSaaSの機能を代替する」という議論が国内外で活発化している。エイトレッドはワークフローシステムを提供するSaaSベンダーであり、今回の調査はガバナンス系SaaSの存在意義を示すデータとして公表されたものだが、調査設計や質問項目の詳細は原文の一部が会員限定のため全容は確認できない。