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NTT、800億円規模「IOWN AI Fund」を2026年6月末に組成——光・AI基盤でグローバルエコシステム構築へ

30秒サマリー

  • NTTがSK Telecom・中華電信などと800億円規模の投資ファンド「IOWN AI Fund」を2026年6月末に組成する
  • フォトニクス・AI半導体・分散型AI基盤など次世代技術領域への投資を通じIOWNの普及拡大を狙う
  • NTT研究所の技術と異なるトレンドにも排除せず投資する「トレンド探索型」の運営方針を明示

何が起きたか

NTTは、次世代情報通信基盤「IOWN」の普及を加速させるため、韓国SK Telecomおよび台湾中華電信などと共同で、総額800億円規模の投資ファンド「IOWN AI Fund」を2026年6月末に組成すると発表した。組成の契機は、シリコンバレーを拠点に光通信・半導体などのディープテック投資に実績を持つVC「Walden Catalyst Ventures」共同創業者のYoung Sohn氏からNTT側へのアプローチだったと、島田明社長が説明している。

投資の主な対象領域として、光伝送・光スイッチなどのフォトニクス技術、GPUやNPUを含むAI向け半導体・パッケージング、光デバイス・光電融合モジュール、分散型AI基盤の制御、AIモデル・推論が挙げられている。

NTTの柳瀬唯夫副社長執行役員CBDOは、「突然トレンドが変化し、マーケットがどちらに向かうか分からない」として、NTT研究所が開発してきた技術とは異なる技術についても排除しない方針を示した。島田社長は、既存の「IOWN Global Forum」が技術標準の策定を担う組織であるのに対し、IOWN AI Fundは「投資を介して画期的な技術を探索することが目的」と両者の役割を明確に区別している。

原典ハイライト

島田社長は「光がITの世界の中心になっていくタイミング」と表現し、社会実装に向けた周辺技術パートナーとの連携強化がファンド設立の核心にあると説明。柳瀬副社長はトレンド変化への対応として、NTT独自技術の枠を超えた投資姿勢を明言した。

出典: 日経xTECH IT(報道)

So What?(なぜ重要か)

NTTが単なる技術開発・標準化活動にとどまらず、「投資ファンド」という資本の仕組みを使ってグローバルなIOWNエコシステムを形成しようとしている点が重要だ。光電融合やAI半導体という激変中の領域で、自社研究の枠を超えてトレンド変化を取り込む構造を整えることは、NVIDIAを中心とするGPUエコシステムへの対抗軸形成を意識した戦略とみられる(ただし記事の有料部分でNVIDIAとの違いが論じられており、詳細は原文では確認できない)。

日本企業への示唆

日本の通信・製造・ITサービス企業にとって、IOWN AI Fundへの参画や連携は、光電融合・AIインフラ分野でNTTのグローバルエコシステムに早期に組み込まれる機会となりうる。一方、ファンド側が「NTT技術に限らない」投資方針を掲げているため、既存のNTTグループとの取引実績がない企業でも技術力次第で門戸が開かれる可能性がある。自社技術をフォトニクス・AI半導体・分散AI基盤のどの領域に位置付けられるかを明確にし、提案機会を探る価値がある。

背景・経緯

IOWNはNTTが推進する光を中心とした次世代通信・コンピューティング基盤の構想。普及促進のための業界団体「IOWN Global Forum」が既に設立されており、技術標準の策定活動が進められている。今回のIOWN AI Fundはその投資・エコシステム形成の補完的な仕組みとして位置付けられる。