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AmazonがAIチップ「Trainium」を外部企業へ直接販売交渉中、自社半導体の年間売上200億ドル超

30秒サマリー

  • AmazonがAIチップ「Trainium」を他社データセンターへ直接販売する交渉を進めていることが明らかになった
  • CEOのAndy Jassy氏が株主書簡で言及。自社チップ事業の年間ランレートはすでに200億ドルを超えている
  • GoogleのTPU外販計画に続く動きで、NVIDIAの主要顧客2社が相次いで対抗軸を構築しつつある

何が起きたか

AmazonのCEO Andy Jassy氏は2026年4月の株主向け書簡の中で、自社製AIチップのラックをサードパーティー企業に販売する可能性に言及した。同氏は「自社製チップ事業の年間ランレートが200億米ドルを超えた」とも明かしており、Amazonの半導体ビジネスが既に相当規模に達していることを示している。

Amazonの半導体ポートフォリオはArmベースCPU「Graviton」、AIアクセラレーター「Trainium」および推論特化チップ「Inferentia」、ネットワークカード「Nitro」で構成される。最新世代のTrainium3はTSMCの3nmプロセスを採用し、Trainium2比で最大4倍の性能を実現。AI部門責任者のPeter DeSantis氏によれば「ほぼ完売」状態だという。

外部採用の動きも具体化しつつある。報道によればUberが外部パートナーとして最初にTrainium3を採用する見込みで、Anthropicは100万個超のTrainiumチップをAWSデータセンターに導入する予定とされている。また、GravitonについてはMetaへの出荷が始まったと原文は伝えている。

Amazonの半導体事業は2015年のAnnapurna Labs買収(約3億5000万ドル)を起点とし、2019年頃からカスタムAIシリコン開発に本格着手。一方、GoogleはAmazonに先行して2026年4月に自社製TPUを選定顧客へ販売する計画を発表しており、NVIDIAの2大顧客が相次いで外部販売へと踏み出す形となっている。

原典ハイライト

Andy Jassy CEOは株主書簡で「自社チップ事業の年間ランレートが200億ドル超」と明示し、ラックのサードパーティー販売の可能性を公式に認めた。Trainium3はほぼ完売状態とされ、供給が需要に追いついていない実態も浮かぶ。

出典: ITmedia AI+(報道)

So What?(なぜ重要か)

NVIDIAの5兆ドル規模の半導体帝国に対し、最大顧客であるAmazonとGoogleが相次いで自社チップの外部販売へ踏み出したことは、AIアクセラレーター市場の構造変化を示す。これまでNVIDIA製GPUの代替はAMDなど従来半導体メーカーが担っていたが、クラウド大手が「チップベンダー」として直接参入することで、調達先の選択肢が質的に変わる可能性がある。

日本企業への示唆

日本企業がAIインフラを調達・検討する際、NVIDIA一択という前提を見直す契機になりえる。AmazonのTrainiumはAWSエコシステムと深く統合されており、すでにAWSを主要クラウドとして利用している企業には比較的低いスイッチングコストで移行できる可能性がある。一方で、外部販売の交渉段階であり実際の提供条件・サポート体制は未確定のため、過度な期待は禁物だ。まずはAWSとの契約条件やTrainiumの対応フレームワーク(PyTorchやJAX等)の成熟度を技術・調達担当が精査しておくことが現実的な備えといえる。

背景・経緯

Amazonは2015年にイスラエルのチップ設計会社Annapurna Labsを約3億5000万ドルで買収し、自社半導体の基盤を構築。2019年頃からAIチップ開発を本格化し、Trainium1→2→3と世代を重ねてきた。Googleは同年4月に自社TPUの外部販売計画を先行発表しており、今回のAmazonの動きはその後追いともみられる。