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ソフトバンク傘下SB Intuitions、国産LLM「Sarashina3」シリーズを正式提供開始

30秒サマリー

  • SB Intuitionsが国産LLM「Sarashina3」シリーズを2026年6月30日にリリース
  • 30兆トークン超で事前学習、専門チームによる日本語品質検証を強化学習に反映
  • 標準・軽量・ガード・埋め込み・リランキングの5モデル構成で業務用途をカバー

何が起きたか

ソフトバンク傘下のSB Intuitionsは2026年6月30日、国産大規模言語モデル(LLM)「Sarashina3シリーズ」の提供を開始した。提供チャネルは、ソフトバンクが米Oracleの基盤を活用して国内データセンターで運用するクラウドサービス「Cloud PF Type A」を通じたもので、データの国内完結(ソブリン性)を確保する形となっている。

ラインアップは5種類。標準モデル「Sarashina3 mini」はエージェント機能、数理的理解力、コード生成能力を備え、日本語・英語を中心とした30兆トークン超のデータで事前学習を実施。その後、高性能な教師モデルからの知識蒸留と強化学習を組み合わせた事後学習でビジネス用途の能力を高めている。軽量モデル「Sarashina3 nano」も同様の事前学習データ構築技術を採用する。

ベンチマークでは、3 miniは前世代「Sarashina2 mini」からスコアが向上し、中国Alibaba系の「Qwen3-235B-A22B-Instruct-2507」やOpenAIの「GPT-5.4 mini(non-reasoning)」と同等の性能とされる。日本語品質については、自然さ・丁寧さ・簡潔さ・実用性の4軸でSB Intuitionsの専門チームが評価・検証し、その結果を強化学習に反映させている点が特徴として強調されている。

そのほかのモデルとして、入出力テキストの有害性を判定する「Sarashina3 guard」、テキストをベクトル化する「Sarashina3 embedding」、文書を関連度の高い順に並び替える「Sarashina3 rerank」が用意されており、企業のRAG構築や安全対策など実務用途に対応した構成となっている。

原典ハイライト

SB Intuitionsは、独自の品質フィルタリングとデータ合成技術による学習データ拡充に加え、専門チームが日本語出力の自然さ・丁寧さ・簡潔さ・実用性を評価して強化学習に反映するという二重の品質保証アプローチを採用。提供インフラはOracleの基盤を使った国内データセンター運用であることを明示している。

出典: ITmedia AI+(報道)

So What?(なぜ重要か)

海外大手LLMと性能が拮抗しつつ、データが国内に留まる「ソブリンAI」として提供される点が本シリーズの本質的な差別化軸となる。ガード・埋め込み・リランキングまで一括提供することで、企業がRAGパイプラインや安全フィルタを国産エコシステム内で完結させる選択肢が具体化した。今後は実業務での性能維持とコスト競争力が普及の鍵となる。

日本企業への示唆

金融・医療・行政など、データの海外移転に慎重な業種の企業にとって、性能・安全性・国内データ保全を同時に満たす選択肢が増えたことは実務上の意義が大きい。特に社内文書を扱うRAGシステム構築では、embeddingとrerankモデルが同一エコシステムで揃う点は調達・運用コストの合理化につながる。一方でベンチマーク数値の実業務への転用可否は個別検証が必要なため、PoC段階でのシビアな評価設計が求められる。

背景・経緯

SB Intuitionsは以前から国産LLM「Sarashina」シリーズを展開しており、今回はその第3世代にあたる。ソフトバンクはOracleのクラウドインフラを活用した国内データセンター運用により「ソブリン性の確保」を訴求する戦略を採っていた。今回のリリースはその業務支援サービスとして位置付けられるとみられる(原文の関連記事見出しに言及あり)。