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JSOL、AIでプレス成形の予測精度を向上——金型修正回数削減へ

30秒サマリー

  • JSOLがプレス成形ソフト「JSTAMP」にAI機能を搭載し、高強度鋼板のスプリングバック予測精度を向上
  • 実機トライとシミュレーションの形状差をAIが学習・補正することで、金型修正の繰り返しを削減
  • コスト低減と設計・製作リードタイム短縮が期待される

何が起きたか

JSOLは2026年6月17日、プレス成形シミュレーションソフトウェア「JSTAMP」に、同ソフト初のAI機能「JSTAMP-RealSync for Springback」を搭載・リリースした。

自動車の車体開発では、衝突安全性能と軽量化を両立するために高強度鋼板の採用が拡大している。しかし高強度鋼板は成形難易度が高く、金型から取り出した後に材料の弾性回復で形状が変化する「スプリングバック」の予測が困難だった。このため、実機トライの段階でシミュレーションと異なる変形が判明し、金型修正を繰り返すことが業界共通の課題となっていた。

新機能では、実機トライで得られた形状データとシミュレーションが予測した形状データの関係性をAIが学習し、両者の差を補正する仕組みを採用した。これにより、金型形状を微調整しながらシミュレーションを繰り返し、計算機上で「狙い通りの正寸形状が得られるか」を事前に検証できる。JSOLは、この検証プロセスが金型修正回数の削減、コスト低減、設計・製作リードタイムの短縮につながると説明している。

同社は本機能を、理論に基づき演繹的に解くシミュレーション技術と、データから帰納的に結果を導くAIの特徴を融合したものと位置づけており、「シミュレーションだけでは到達が難しかった精度と効率の両立」を狙いとしている。

原典ハイライト

実機トライとシミュレーションの形状差をAIが学習して補正する新機能により、計算機上で金型形状の微調整と正寸検証が可能になり、金型修正回数の削減・コスト低減・リードタイム短縮が期待されると、JSOLがリリース時に説明した。

出典: ITmedia AI+(報道)

So What?(なぜ重要か)

高強度鋼板のスプリングバックは自動車車体開発における長年の難題であり、金型修正の繰り返しは時間・コスト双方の大きなロスだった。シミュレーションとAIを組み合わせることで「仮想空間内での試行錯誤」が現実的になれば、開発工程の前倒しと試作コスト圧縮が同時に実現し得る。製造業におけるCAE×AIの実用化が着実に進んでいることを示す事例といえる。

日本企業への示唆

自動車部品や精密プレス部品を手がける日本の製造業にとって、類似のAI補正アプローチは今後の標準的な開発手法になる可能性がある。自社の成形工程でどれだけの金型修正コストが発生しているかを定量把握したうえで、CAEツールへのAI機能導入の費用対効果を試算することが有効な次のアクションとなる。また、実機データの蓄積・管理体制がAI学習の質を左右するため、現場の形状計測データのデジタル化・標準化を並行して進めることが重要な準備投資となる。

背景・経緯

原文によれば、自動車の車体開発では衝突安全性能と軽量化の両立を目的に高強度鋼板の採用が拡大しており、その成形難易度の高さがスプリングバック問題を深刻化させてきた。JSOLは従来からプレス成形シミュレーションソフト「JSTAMP」を提供しており、今回が同ソフトへのAI機能初搭載となる。