公開:2026年9月22日, 最終更新:2026年9月22日
30秒サマリー
- NVIDIAがAIファクトリー向けに電源・冷却製品を認定する「DSX Ready」プログラムを立ち上げた
- 初期カテゴリはBESSとCDUの2種類で、日立エナジー・Tesla・Vertivなど6社が認定取得
- 構築者が製品選定の確信を高め、統合リスクを低減することを目的とした認定制度
何が起きたか
NVIDIAは公式ブログにて、AIファクトリー向けの電源・冷却製品認定プログラム「NVIDIA DSX Ready」の開始を発表した。同プログラムは、NVIDIA DSX AIファクトリーリファレンス設計の要件を満たすパートナー製品・ソリューションを認定するもので、AIインフラ構築者が製品を選定・評価する際の指針となる。
立ち上げ時点での対象カテゴリは、バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)と冷却分配ユニット(CDU)の2種類。BESSの認定取得企業として日立エナジー・LGエナジーソリューション・Teslaの3社、CDUの認定取得企業としてLGエレクトロニクス・LiquidStack・Vertivの3社が挙げられている。今後、インフラおよびソフトウェアにまたがる追加カテゴリが順次導入される予定とされている。
認定プロセスはカテゴリごとに異なる。BESSプロバイダーは所定の認定試験を実施してNVIDIAへデータを提出・承認を受ける形式で、CDUプロバイダーはCDU自己認定スイートを用いて機能要件への適合を確認する。なお、製品の認定取得はサイトレベルの設計・エンジニアリングを代替するものではない点がブログ内で明示されている。
原典ハイライト
NVIDIAのブログは「電源・冷却の最適化が他のボトルネックを生む可能性がある」と指摘し、AIファクトリー全体をひとつのシステムとして設計・運用するNVIDIA DSXプラットフォームの一部として、DSX Readyがパートナーとビルダーをつなぐ役割を果たすと説明している。
出典: NVIDIA Blog(公式ブログ)
So What?(なぜ重要か)
AIファクトリーの建設・拡張において、電源・冷却製品の選定はインフラ全体のパフォーマンスを左右する。DSX ReadyはNVIDIAのリファレンス設計に基づく客観的な認定基準を提供することで、調達判断の根拠を明確化し、統合リスクの低減と導入までの期間短縮を支援する仕組みとなる。AIインフラ整備が加速する中、認定の有無が機器選定の新たな指標になりうる。
日本企業への示唆
国内でAIデータセンターやAIファクトリーへの投資・建設を検討する企業・事業者は、NVIDIAのDSX Ready認定を持つ電源・冷却機器を選定基準の一つに加えることを検討する価値がある。日立エナジーが初期認定企業に名を連ねており、国内サプライヤーとの連携を模索する際の参考になる。また、認定あり製品を選定することで、NVIDIA DSXとの設計適合性をある程度担保しつつ調達プロセスを効率化できる可能性があるが、サイト固有のエンジニアリングは別途必要な点に留意が必要。
背景・経緯
NVIDIAはDSX(Data Center Systems Experience)プラットフォームを通じて、AIファクトリーのコンピューティング・ネットワーク・電源・冷却・施設・ソフトウェアを統合的に設計・運用するアーキテクチャを提供している。AIインフラの拡大に伴い、電力・冷却・水・立地・系統容量などの制約がファクトリー設計を左右する状況が強まっており、こうした背景のもとDSX Readyプログラムが立ち上げられた。




