30秒サマリー
- OpenAIがChatGPTのmacOSデスクトップアプリに、ユーザーのPC操作を記録・学習する新機能「Computer History」を追加
- スクリーンショットは使用せず「イベント」単位で操作を記録し、タイムラインを生成してChatGPTやCodexが参照
- オプトイン形式で特定アプリ・サイトの除外やエントリ削除が可能、プライベートブラウズは自動除外
何が起きたか
OpenAIは、ChatGPTのmacOS向けデスクトップアプリに「Computer History」と呼ばれる新機能を追加した。この機能はユーザーのクリックやキー入力などのPC操作を記録してタイムラインを生成し、ChatGPTおよびCodexがユーザーからのリクエストに応答する際にそのデータを参照できるようにする。記録した作業パターンをもとに自動化の提案や、途中で止まっていたタスクの引き継ぎも行えるとされている。
データの取得方式はWindowsの「Recall」が画面スクリーンショットに大きく依存していたのとは異なり、OpenAIによればComputer Historyは画像・動画・音声は収集せず、「イベント」と呼ばれる操作単位のデータのみを使用するという。OpenAIのプロダクト&エンジニアリングマネージャーAri Weinstein氏はXへの投稿で、シークレット(プライベート)ブラウジング中のコンテンツは自動的に無視されると説明している。
OpenAIのDeveloper ExperiencesチームメンバーDominik Kundel氏が公開したデモ動画では、同機能を使って直近に編集したドキュメントを呼び出し、Slackで共有済みかどうかを確認し、午前中の作業内容のサマリーを生成するといった操作が実演されている。機能はオプトイン方式で、特定のアプリやウェブサイトを記録対象から除外したり、個別エントリを削除したりする細かな管理も可能とされている。
原典ハイライト
OpenAIは「Computer Historyは画像・映像・音声を取得せず、あくまでイベントデータに依拠する」と説明しており、Microsoftの物議を醸したRecallとの差別化を明確に強調している。
出典: The Verge(報道)
So What?(なぜ重要か)
ChatGPTが単なる質問応答ツールから「ユーザーの日常業務を継続的に把握するAIアシスタント」へと進化しつつあることを示す機能追加だ。業務効率の向上が期待できる一方、企業の機密情報や個人の操作履歴がOpenAIのシステムに蓄積されるリスクも生じるため、利便性とデータガバナンスのトレードオフが企業利用における重要論点となる。
日本企業への示唆
業務でChatGPTのデスクトップアプリを利用している、あるいは導入を検討している日本企業は、Computer Historyの有効化前にデータポリシーを精査すべきだ。特に機密性の高い社内文書や顧客情報を扱う業務では、情報セキュリティ・コンプライアンス部門がオプトイン可否の判断基準を明文化し、従業員への周知ルールを整備しておくことが求められる。機能自体の有用性は高いだけに、「禁止か全面解禁か」ではなく除外アプリ設定なども活用した段階的な運用設計が現実的な対応策とみられる。
背景・経緯
Microsoftが2024年にWindows向けに「Recall」機能を発表した際、スクリーンショットによる大量のデータ収集がプライバシー上の懸念を呼び、大きな批判を受けた経緯がある。OpenAIは今回、スクリーンショットを使わない「イベント」ベースのアプローチを採用することで、その批判を意識した設計を取ったとみられる。原文ではComputer History自体の提供開始時期や対象ユーザー範囲については言及がない。







