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AWS、AgentCoreのウェブ検索にドメイン・日付フィルタを追加——東京リージョンにも展開

30秒サマリー

  • Amazon Bedrock AgentCoreのウェブ検索機能に、APIコール単位でドメインと公開日を絞り込めるランタイムフィルタが追加された
  • 管理者設定のポリシーとランタイムフィルタを組み合わせる階層型モデルで、エンタープライズのガバナンスを担保しながら柔軟な制御を実現
  • eu-west-1(ダブリン)とap-northeast-1(東京)の2リージョンに新たに対応し、レイテンシ削減とデータ近接要件への対応が可能に

何が起きたか

AWSは2026年8月、Amazon Bedrock AgentCoreのウェブ検索機能において、ドメインフィルタと公開日フィルタをランタイムで指定できる新機能を追加したと公式ブログで発表した。対象はウェブ検索コネクタのバージョン1.2.0以降で、tools/callの各リクエストにドメインのAllowlist(最大100件)・Denylist(最大100件)、ISO-8601形式の日付範囲を付与できる。

フィルタはサーバーサイドで適用されるため、クライアント側での後処理や追加ラウンドトリップは不要。管理者レベルで設定済みのドメインポリシーとランタイムフィルタは「包含リストは積集合、除外リストは和集合」のロジックでマージされ、ランタイム側の指定が管理者ポリシーの範囲を超えることは構造上できない設計になっている。

同時に、ウェブ検索の提供リージョンがeu-west-1(ダブリン)とap-northeast-1(東京)に拡大された。原文によれば、AgentCoreはゼロエグレスアーキテクチャを採用しており、検索クエリはAWSの内部に留まる。これにより、欧州やアジア太平洋のデータ所在地要件を持つ規制業種の顧客も、大西洋を越えたトラフィックルーティングなしにグラウンデッドAIエージェントを構築できるとされている。

原典ハイライト

「ランタイムフィルタはスコープを狭めることはできても、管理者が設定したスコープを拡大することは絶対にできない(runtime filters can narrow but never expand the scope set by an administrator)」——この設計原則がエンタープライズガバナンスの中核をなす。また、フィルタ有効時は「再現率よりも精度を優先し、条件を満たせない結果は返却されない」と明記されている。

出典: AWS Machine Learning Blog(公式ブログ)

So What?(なぜ重要か)

AIエージェントが参照する情報源を「管理者ポリシー+API呼び出し単位」の2層で制御できるようになった点が重要。これまでは組織全体の一律ルールか、クライアント側の後処理に頼るしかなかったが、今回のリリースでサーバーサイドでの厳密な絞り込みが可能になる。金融・医薬・法務など情報ソースの信頼性が監査対象となる業種では、エージェントの回答根拠をAPIレベルで証明可能な形で管理できることになる。東京リージョン対応により、日本国内でも低レイテンシかつデータ所在地要件を満たす形での利用経路が開いた。

日本企業への示唆

日本の金融機関・製薬企業・法律事務所など、情報ソースのコンプライアンス管理が求められる業種は、AgentCoreのウェブ検索を採用する際にバージョン1.2.0への移行を検討すべき局面にある。具体的には、①管理者レベルで承認済みドメインリストを定義し、②個々の業務エージェントがAPIコールで用途に応じたサブセットと日付範囲を動的に指定する設計を検討することで、監査対応と開発効率を両立できる。東京リージョン展開により、データを国外に出さないポリシーを持つ企業でも導入障壁が下がった点も評価ポイントになりうる。既存のバージョン1.1.0利用者はUpdateGatewayTargetで移行できると原文には記載されている。

背景・経緯

Amazon Bedrock AgentCoreは、任意のフレームワークやモデルを使ってエージェントを構築・接続・最適化するためのAWSのプラットフォームとして提供されている。ウェブ検索機能はAgentCore Gatewayを通じてModel Context Protocol(MCP)互換のエンドポイントとして提供されており、今回の機能追加はそのコネクタバージョン1.2.0として実装された。以前のバージョン1.1.0ではランタイムフィルタは存在せず、ドメイン制御は管理者レベルの設定に限られていたとみられる。