AI News JAPAN

世界のAIニュースを最速で把握できるメディア

Advertisement

Google、動画生成AI「Gemini Omni 1.1 Flash」を開発者向けに提供開始

30秒サマリー

  • Googleが動画生成・編集AIモデル「Gemini Omni 1.1 Flash」をGemini APIおよびGoogle AI Studio経由で開発者向けに提供開始した
  • 最大の強化点はシーン延長機能で、直前10秒の文脈を参照し最長40秒まで動画を継続生成できる
  • AdobeのFireflyへの統合も発表され、商用利用・プロ用途への展開が本格化している

何が起きたか

米Googleは2026年8月27日(現地時間)、動画の生成・編集に対応するマルチモーダルAIモデル「Gemini Omni 1.1 Flash」を発表した。Gemini APIおよびGoogle AI Studioを通じて開発者向けに提供し、同社は「プロ用途に耐えるproduction-readyな段階になった」と位置づけている。

最大の強化点はシーン延長機能だ。従来モデルが直前1秒しか参照できなかったのに対し、今回は最大10秒分を文脈として解析できるようになり、視覚的な一貫性と物語の整合性が向上したとしている。10秒単位で延長でき、累計最大40秒まで生成可能だ。このほか、開始・終了フレームを指定して間の映像を生成する機能、360p解像度での高速プレビュー生成(720p比で最大60%高速・コスト3分の1)と最終出力の1080p・4Kアップスケール、最大3秒の動画を参照素材に指定できるマルチモーダル入力なども搭載された。

提供形態は複数用意されている。Google AI Studioでの試用に加え、企業向けにはAgent Platform API経由での利用が可能。動画制作ツール「Google Flow」とGeminiアプリでは、Google One AI Premium・Pro・Ultraの契約者向けに世界展開を開始した。Adobeは「Adobe Firefly」へのGemini Omni Flash統合を発表済みで、生成動画にはAIコンテンツ識別用の電子透かし「SynthID」が付与される。

原典ハイライト

従来は直前1秒しか参照できなかったシーン延長機能が最大10秒の文脈解析に拡張され、最長40秒の連続動画生成が可能になった点が核心。Googleは今回のアップデートをもって「プロ用途に耐える段階」と明言しており、商用展開へのシフトを明確に示している。

出典: ITmedia AI+(報道)

So What?(なぜ重要か)

動画生成AIが「試作・検証フェーズ」から「プロダクション投入フェーズ」へ移行しつつあることを、Googleが公式に宣言した格好だ。シーン延長の文脈参照が10秒に延びたことで、CMや短尺プロモーション動画といった実務レベルの映像制作への適用可能性が高まる。AdobeのFireflyへの統合は、既存の制作ワークフローへの組み込みが加速することを示す事例であり、動画制作の工数・コスト構造が変わる局面が近づいている。

日本企業への示唆

マーケティング・広告・コンテンツ制作に携わる日本企業にとって、短尺動画(SNS広告・プロモーションクリップ等)の制作コスト削減と量産体制の整備を検討する具体的な契機となる。特に360pドラフト生成による高速な試作ループは、A/Bテストや企画段階での映像確認を安価に行う手段として実用的だ。一方、SynthIDによる電子透かしが付与されることは、AIコンテンツの開示義務が今後強まる規制環境への備えとして把握しておく必要がある。Adobe Fireflyとの統合を踏まえると、既存のCreative Cloudワークフローを持つ企業はツール更新の動向を注視すべきだ。

背景・経緯

Googleはこれに先立ち「Gemini Omni」として会話による映像生成・編集機能を公開しており、今回のGemini Omni 1.1 Flashはそのアップデート版に位置づけられる。関連記事では音楽生成AI「Lyria 3.5」の発表や、動画生成AI「Veo 3.1」の強化なども報じられており、Googleが動画・音声を含むマルチモーダル生成AI領域を積極的に拡充している状況が背景にある。