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高市内閣、第2期AI基本計画案を決定——「日本AX」を国家戦略に位置づけ

公開:2026年7月11日, 最終更新:2026年8月30日

30秒サマリー

  • 高市内閣は2026年7月10日、第5回人工知能戦略本部を開催し、第2期「AI基本計画」案を決定した。
  • 行政・産業・暮らしをAIで変革する「日本AX(AIトランスフォーメーション)」を基本計画に掲げる。
  • バーティカルAI・フィジカルAIへの官民集中投資、AIサミットの早期日本開催などを推進方針として明示した。

何が起きたか

令和8年(2026年)7月10日、高市総理は総理大臣官邸で第5回人工知能戦略本部を開催した。会議では、AI法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)に基づく基本計画(案)と、バーティカルAI領域別戦略の中間とりまとめについて議論が行われ、第2期「AI基本計画」案が決定された。

基本計画では、「AI基本計画において『日本AX』を掲げ」(高市総理発言より)、バーティカルAIとフィジカルAIへの官民投資を「『強く豊かな日本』投資枠」を活用して推進することが明示された。集中投資の対象領域は、①AIロボティクスなど産業構造改革・国際競争力強化、②業務効率化・人手不足解消、③防衛・サイバーなど戦略的領域——の三つとされた。

フィジカルAIについては赤澤大臣が、国産開発基盤の構築、AIロボットの研究開発・量産投資、世界的中核拠点の早期創設を担う体制とされた。また、AIを前提とした規制・制度の抜本的見直しや、AISI(AIセーフティ・インスティテュート)の機能・体制強化、さらに小野田大臣によるAIサミットの早期日本開催に向けた関係国との調整も指示された。政府は「まずは行政から始める」として、行政へのAI実装を優先的に推進する方針を打ち出した。

原典ハイライト

高市総理は会議の締めくくりに「行政、産業、暮らしを創り変え、日本を強く、豊かにする『日本AX』を、『まずは行政から始める』こととし、『信頼できるAI』により社会全体が駆動する具体像を示すべく、検討を加速してまいります」と述べた。

出典: www.kantei.go.jp(手動)

So What?(なぜ重要か)

国家レベルでAIトランスフォーメーション(AX)を法・計画・投資の三位一体で推進する体制が整った。政府が「まずは行政から」と宣言したことで、行政のデジタル規制改革が先行的に動き出す可能性が高い。バーティカルAI(産業特化型AI)とフィジカルAI(ロボティクス等)という二軸への集中投資方針は、民間の研究開発・事業計画の優先順位に直接影響を及ぼすとみられる。

日本企業への示唆

「バーティカルAI」「フィジカルAI」の二領域が政府の重点投資対象と明記されたため、AIロボティクス、業務効率化・人手不足対策、防衛・サイバーなど関連領域の企業にとって、今後具体化される領域別戦略や官民投資、導入支援策を注視する重要性が高まる。規制・制度の抜本的見直しが府省庁横断で進む方針が示されており、自社に関連する許認可や運用ルールの変化を早期にモニタリングすることが重要になる。AIサミットの日本開催が実現すれば、グローバル標準形成への関与機会が生まれるため、国際展開を視野に入れる企業には動向把握が求められる。

背景・経緯

今回の会議は第5回人工知能戦略本部として開催され、AI法に基づく基本計画案などが議論された。会議ではAI法に基づく基本計画案の審議が行われており、法的根拠を持つ計画として位置づけられている。AIサイバー攻撃リスクへの言及など、安全保障上の懸念も計画の背景として示されている。