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マイクロソフト、NYT著作権訴訟で「Copilotの再現は微量」と主張

公開:2026年9月5日, 最終更新:2026年9月5日

30秒サマリー

  • マイクロソフトがCopilotのチャットログ820万件を分析し、著作権コンテンツの実質的な複製はほぼ皆無と主張
  • NYT・書籍著者らとの著作権訴訟でフェアユースを根拠に早期決着(略式判決)を申し立て
  • トランプ政権もOpenAI支持の意見書を提出しており、司法判断が業界全体に波及する可能性

何が起きたか

マイクロソフトは、ニューヨーク・タイムズ(NYT)や書籍著者らが起こした著作権侵害訴訟において、自社の主張を裏付ける新たな法廷文書を提出した。同社は、訴訟の証拠開示手続きの一環としてニュース出版社側の専門家にCopilotのチャットログ820万件を提供。これらは原告側コンテンツへの言及が最も多い可能性があるキーワードで抽出したものだと説明している。

マイクロソフトの説明によれば、分析の結果、ニュースコンテンツと16語以上一致するログは5万9,545件にとどまった。また書籍著者側の専門家が820万件の会話を精査したところ、30語以上一致するCopilotの回答はわずか24件で、評価対象212冊のうち一致が確認されたのは10冊のみだったとしている。調査報道機関CIR関連では「実質的な重複」が51件確認されたが、同社はこれも低水準だと位置付けている。

マイクロソフトはこれらの数値を根拠に、AIの学習データとして著作権コンテンツを使用することはフェアユースに該当すると主張。LLMの学習目的は元の著作物とは「著しく異なる目的」であり、一部テキストが再現されることがあっても「LLM学習の変容的な目的を損なうものではない」と訴えている。同社は裁判官に略式判決の発令を求めており、認められれば早期に訴訟が終結する。一方、トランプ政権も今週、NYT訴訟でOpenAIを支持する意見書を提出した。NYT、CIR、オーサーズ・ギルドはThe Vergeのコメント要請に即座に応じなかった。

原典ハイライト

820万件のCopilotチャットログを分析した結果、書籍コンテンツと30語以上一致する回答はわずか24件、ニュースコンテンツとの実質的な重複も限定的だったとマイクロソフトが主張。「LLM学習の変容的な目的」を根拠にフェアユースを訴え、略式判決で早期終結を求めている。

出典: The Verge(報道)

So What?(なぜ重要か)

生成AIとコンテンツ著作権をめぐる法廷闘争は、AI企業側が「出力の複製量は微量」という実証データを武器にフェアユース防衛を固める新局面に入った。裁判所が略式判決を認めるかどうかは、学習データの利用全般に関する法的先例を左右するため、業界全体の事業モデルに直結する判断となる。トランプ政権の介入は政策的な追い風としてAI企業側に有利に働く可能性がある。

日本企業への示唆

日本企業がRAGや社内AIを構築する際、外部の著作権コンテンツをどの範囲で学習・参照に使えるかは依然グレーゾーンだ。今回の裁判でマイクロソフトが示した「出力の複製量を定量的に記録・開示する」アプローチは、将来の法的リスク管理の参考になりうる。判決の方向性によっては、日本でも著作権法やAI学習の適法性議論が加速する可能性があり、法務・知財部門は米国判例の動向を継続的にモニタリングすべきだ。

背景・経緯

本訴訟はNYTや書籍著者らがマイクロソフト・OpenAIに対して提起したもので、原告はAI企業が自社コンテンツを無断で学習に使用し、そのコンテンツと競合する製品を提供していると主張している。出版社側と書籍著者側の訴訟は審理効率化のため一人の裁判官のもとに統合されており、原告側はこれに異議を唱えていた。