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NVIDIAがNemotron 3.5 Super VLとBolt公開、データセンターからエッジまで対応

30秒サマリー

  • NVIDIAが1200億パラメータのオープンモデル「Nemotron 3.5 Super VL」と2種のエッジモデル「Bolt」を公開した
  • Super VLは同クラス最大モデルと同等精度を約5分の1のパラメータ数で実現し、スループットは同クラス比最大5倍速
  • Atlassian・CrowdStrike・Salesforce・Perplexityなど多数の企業が独自データでのポストトレーニングを実施中

何が起きたか

NVIDIAは2026年10月15日付けの公式ブログで、オープンモデル「Nemotron 3.5 Super VL」(1200億パラメータ)と、エッジ向け2モデル「Nemotron 3.5 Bolt 74B-A9B 24GB」「Nemotron 3.5 Bolt E4B 4GB」の公開を発表した。Super VLとBolt 74B-A9Bは即日利用可能で、Bolt E4Bは10月23日提供予定とされている。

Super VLはNemotron Coalitionとの共同開発で、マルチモーダルなエージェントタスク(命令追従・ツール使用・多段階ビジネスワークフロー・視覚理解)においてNVIDIA最大の推論モデルと同等の精度を約5分の1のパラメータ数で実現すると説明されている。Artificial Analysis Intelligence Indexのリーダーボードでは同クラスの他モデル比で最大5倍のスループットを達成したとされる。学習規模は事前学習・継続事前学習合計で約26兆トークン、ポストトレーニングには約380万サンプルと強化学習が用いられた。

Bolt 74B-A9B 24GBはNVIDIA RTX/DGX Spark上でのローカル動作を想定した設計で、ネイティブ2ビット量子化により24GBのメモリに収まる。PinchBenchで同クラスのオープンモデル1位、BrowseCompで同2位と紹介されている。Bolt E4B 4GBはGeForce RTX・Jetson・RTX/DGX Sparkを対象とし、音声アシスタントや組み込みインターフェース向けの高速な会話エージェント用途を想定する。

採用企業としては、Scale AI(Skydance向け仕入れ先クレジット財務エージェント、EY向けM&Aデューデリジェンスエージェント)、Atlassian(JiraやConfluence横断のエージェント検索)、CrowdStrike(企業セキュリティのアジェンティック・ブルーチーミング)、Salesforce(政府ワークフロー自動化)、Perplexity(検索・エージェントタスク)、Ramp・Mercorなど多数が列挙されている。モデルはHugging Face・Open Router・ModelScope・NVIDIA NIMで提供される。

原典ハイライト

同クラスのモデルと比較して最大5倍のスループット、NVIDIA最大の推論モデルと同等精度を約5分の1のパラメータ数で実現と説明。NVIDIA Dynamo上では最大8倍のユーザー収容数・85%の低レイテンシを達成するとされる。オープンウェイト・オープンデータセット・学習レシピを同梱し、NVIDIA NeMoによるカスタマイズをサポートする。

出典: NVIDIA Blog(公式ブログ)

So What?(なぜ重要か)

今回の発表は「クローズドな大規模モデルか、軽量オープンモデルか」という二択を崩す可能性がある。Super VLはフロンティアモデル並みの精度を主張しながらオープンウェイトで提供されるため、自社インフラへのオンプレミス展開・独自データでのカスタマイズが現実的な選択肢となる。さらにBoltシリーズによりエッジ・デスクトップ環境への展開も一つのNemotronファミリーで完結する設計となっており、エージェントAIの導入レイヤーが大幅に広がるとみられる。

日本企業への示唆

日本企業にとって注目すべき点は「データをクラウドに送らずに高精度なAIエージェントを運用できる」という選択肢が具体化したことだ。金融・医療・保険などデータ残存・プライバシー規制が厳しい業種では、オンプレミス展開可能なオープンウェイトモデルの実用性が増す。自社の基幹システム・ドキュメント管理に連携したエージェント開発を検討している企業は、Super VLのカスタマイズ事例(M&Aデューデリジェンス・与信分析・医療請求分析など)が自社業務と重なるか精査する価値がある。また、DGX SparkやGeForce RTX環境を社内に持つ組織はBoltシリーズによるローカルエージェント展開の費用対効果も検討に値する。

背景・経緯

NemotronファミリーにはLightning(2026年8月公開、高スループット向け)とUltra(高度な推論タスク向け)がすでに存在しており、今回のSuper VLとBoltはその補完として位置づけられている。Super VLとBoltの追加により、同ファミリーはデータセンターからエッジデバイスまでの全展開レイヤーを網羅する構成となった。