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PTCジャパン、日本橋にAPAC初のデモセンター開設——ランボルギーニSDV開発や建機AI設計を実演

30秒サマリー

  • PTCジャパンが日本橋の新オフィスにAPAC地域初となるデモセンター「JXC」を開設し、内覧会を開催した
  • ランボルギーニのSDV開発事例でALM・PLM連携トレーサビリティを、建機事例でAIジェネレーティブデザインを実演
  • 日本の製造業を題材とした新デモも開発中とされ、顧客との共創拠点として活用する方針

何が起きたか

PTCジャパンは2026年8月18日、東京・日本橋の新オフィス内に開設したデモセンター「Japan Experience Center(JXC)」の内覧会を開催した。同施設は同社が製造業向けに提唱する「インテリジェント製品ライフサイクル(IPL)」戦略の体験・議論拠点と位置づけられる。設置された専用デモ機2台は、米国本社・ドイツ拠点に次ぐ世界3番目の導入であり、APAC地域では初となるという。

デモ機1台目では、ランボルギーニのV12プラグインハイブリッド車「ランボルギーニ レヴエルト」の開発事例を基に、SDV開発の効率化プロセスを実演した。ALMプラットフォーム「Codebeamer」のAI要件アシスタント機能が要件定義の曖昧な表現を指摘・修正するとともに、テストケースを自動生成するプロセスを紹介。PLMシステム「Windchill」との連携により、ECUのBOM変更など設計変更が生じると即座にCodebeamerへ通知され、再検証が必要なテスト項目が特定されるトレーサビリティ管理の仕組みも披露した。さらに、2025年8月に拡大したNVIDIAとの協業によりNVIDIA OmniverseをWindchillおよびCreoと統合し、デジタルツインを活用した試作前の検証プロセスも示した。

デモ機2台目では建設機械メーカー・Bobcatの事例として、現場のオイル漏れ等の不具合発生から設計改善までのサイクルを紹介した。現場の稼働データやサービス履歴を「PTC Orbit」で収集してデジタルデータ化し、Windchillで不具合と3D図面を紐付けた後、Creoの AIジェネレーティブデザイン機能が数千〜数万回のシミュレーションを自動実行して強度向上と軽量化を両立する最適形状を導出するプロセスを実演した。

JXCでは今後もデモコンテンツを拡充する方針で、「日本の製造業を題材とした新たなデモの開発も進めている」と説明員は述べた。

原典ハイライト

デモセンターJXCは「世界3番目・APAC初」の専用デモ機設置拠点。Codebeamer×WindchillによるAI要件管理とハードウェア変更連動トレーサビリティ、およびCreoのAIジェネレーティブデザインによる数万回シミュレーションでの形状最適化が中核デモとして披露された。

出典: ITmedia AI+(報道)

So What?(なぜ重要か)

製造業のSDV開発において従来は断絶しがちだった「要件定義→設計→検証」の各工程を、AI支援とPLM/ALM連携によってデジタルスレッドとして一貫管理する具体的な実装例が、APACで初めて体験できる拠点として登場した。現場不具合から設計変更・形状最適化までを一気通貫でAIが支援するサイクルは、試作コスト削減と開発期間短縮の両立を示す実践モデルとして注目される。

日本企業への示唆

自動車・建機・産業機械などのSDV化やソフトウェア開発比率拡大に対応しようとしている日本の製造業にとって、ALMとPLMを連携させたトレーサビリティ確保の実装イメージを実機で確認できる国内拠点が生まれた意義は大きい。特に要件管理の曖昧さが品質問題や手戻りにつながりやすい組織は、Codebeamerのようなツール導入の検討にあたって実体験の機会として活用できる。また、CreoのAIジェネレーティブデザインによる設計最適化は、機械設計部門の人手不足対策としても検討に値する。JXCが「日本の製造業を題材とした新デモ」を開発中としている点は、日本固有の課題(多品種少量・ベテラン技術者の技術伝承など)への対応も視野に入っているとみられ、今後のコンテンツ拡充を継続的に注視する価値がある。

背景・経緯

PTCジャパンは約15年ぶりに東京オフィスを西新宿から日本橋へ移転しており、JXCはその新オフィス内に設置された。PTCはNVIDIAとの協業を2025年8月に拡大し、Windchill・CreoとNVIDIA Omniverseの統合を進めている。日本ではマツダがCodebeamerをSDV開発向けに採用するなど、同社製品の国内導入事例も広がりつつある。