公開:2026年10月24日, 最終更新:2026年10月24日
OpenAIは2026年10月22日、アプリケーションやエージェントが高速・低コストで判定処理を行える「Decisions API」の一般提供(GA)を開始した。GPT‑6 Lunaをベースに構築されており、同モデルをResponses API経由で使用する場合と比べ最大10倍高速な処理を実現するとしている。
30秒サマリー
- OpenAIがDecisions APIを2026年10月22日に一般提供開始。GPT-6 Luna搭載で最大10倍高速な判定処理を提供
- 入力トークン100万件あたり0.10ドル、キャッシュ適用時は0.01ドルと低価格設定
- GPT-Liveとネイティブ統合し、リアルタイム音声会話中の高速判定(p95 280ms以下の事例あり)も実現
Decisions APIの提供内容と主な仕様
OpenAIは2026年10月22日、Decisions APIの一般提供を開始した。同APIはGPT‑6 Lunaを基盤とし、テキスト・画像・構造化JSON入力を受け取り、「predicate(確率)」「choice(選択)」「score(スコア)」の3種類の回答型を返す。Responses API経由でGPT‑6 Lunaを使う場合と比べ、最大10倍高速な処理が可能だとOpenAIは説明している。
パブリックベータからの主な追加機能として、GPT-Liveとのネイティブ統合、再利用コンテキストへのプロンプトキャッシュ、米国・EUでの推論残留(inference residency)が追加された。また、ネイティブJSON入力の対応、質問への画像添付、1リクエストあたり最大400問(従来比2倍)への拡張、アジア複数リージョンでの追加キャパシティによるレイテンシ改善も実施されている。
導入事例として、Boxは30件の保険証明書ルーティングで約5倍の高速化を確認。Datadogはエージェント生成コマンドのリスクスコアリングでp95レイテンシ40倍改善を報告。Rampはコスト帰属処理でGPT‑6 Luna比4倍高速化・30%コスト削減を達成。Sierraはライブ顧客会話中のアクション選択でp95 280ms以下(約3倍高速)・コール単価90%削減を実現。Speakは語学学習アプリでGPT-Live統合により次アクションまでの時間を1.4秒から0.13秒へ90%以上短縮したと報告している。
価格は入力トークン100万件あたり0.10ドル、キャッシュ適用時は0.01ドル。出力トークンは課金対象外。利用はDecisions専用エンドポイントを通じて行い、Decisions Playgroundやデベロッパーガイドも提供されている。
Decisions APIの主な仕様・数値
- 提供開始日:October 22, 2026(GA)
- ベースモデル:GPT‑6 Luna
- 最大高速化倍率:Responses API比最大10倍
- 1リクエストあたり最大質問数:400問(ベータ時の2倍)
- 入力トークン価格:$0.10 / 100万トークン
- キャッシュ適用時入力トークン価格:$0.01 / 100万トークン
- 推論残留対応リージョン:US・EU
- Sierra事例でのp95レイテンシ:280ms以下
出典: OpenAI News/Research(公式ブログ)
なぜ重要か(編集部の分析)
編集部の見方として、Decisions APIが重要なのは「小さな判定処理」のコストとレイテンシをまとめて解消する専用ラインが整備された点にある。チャットや検索と異なり、ルーティング・分類・リスク判定のような高頻度の中間処理は、汎用モデルを都度呼び出すと積み上がりコストとレイテンシがボトルネックになりやすい。専用エンドポイントでこれを安価・高速に処理できる仕組みが整ったことで、エージェント型ワークフローの実用化ハードルが下がる。
日本企業への示唆(編集部の分析)
編集部の分析として、日本企業が注目すべき点は三つある。第一に、EU・US双方で推論残留が保証されているため、データローカライゼーション要件への対応が必要な金融・医療系企業でも導入検討の余地が生まれる。第二に、アジアリージョンへのキャパシティ追加が行われており、国内業務への応答速度面での障壁が低下しつつある。第三に、価格設定が入力トークンのみの従量制であるため、判定頻度の高い業務プロセス(与信審査補助・コンプライアンス分類・カスタマーサポートのルーティングなど)でROIを試算しやすい。まずは社内の繰り返し判定処理を一つ特定し、Decisions Playgroundで精度・速度・コストを検証するアプローチが現実的だ。
背景・経緯
Decisions APIはパブリックベータ段階を経て今回GAとなった。GPT‑6 Lunaは原文が参照する別記事「introducing-gpt-6-sol-and-luna」で紹介されたモデルとみられるが、詳細は原文では言及されていない。GPT-Liveについても別途発表済みの音声APIとして原文は言及しており、今回のGA機能としてDecisions APIとのネイティブ統合が追加された。
Decisions APIについてよくある質問
Q. Decisions APIが返せる回答の種類は何か?
A. Decisions APIはpredicate(条件が真である確率)、choice(事前定義した選択肢から1つ選択)、score(ルーブリックに基づくスコア)の3種類の回答型をサポートする。
Q. Decisions APIの料金はいくらか?
A. 入力トークン100万件あたり0.10ドル。プロンプトキャッシュ適用時は0.01ドル。出力トークンへの課金は発生しない。
Q. Decisions APIはGPT-Liveとどのように連携するか?
A. Decisions APIはGPT-Liveとネイティブ統合されており、ライブ音声会話中にリアルタイムで判定処理を実行できる。Speakの事例では次アクションまでの時間が1.4秒から0.13秒に短縮されたと報告されている。





