公開:2026年10月18日, 最終更新:2026年10月18日
OpenAI・Meta・Googleなどが提供するAIエージェントに対し、Yelp・Delta Air Lines・JPMorgan Chase・Charles Schwabなど主要企業が相次いでアクセスをブロックしている。セキュリティ懸念やデータ収益保護を理由とした遮断は近週に報告が急増しており、エージェントの実用性を問う議論が広がっている。
30秒サマリー
- Yelp・Delta・JPMorgan・Schwabなど大手がAIエージェントを相次ぎブロック
- AmazonとPerplexityの法廷闘争が先行し、OpenAI・MetaのエージェントもAmazonから排除される事態に発展
- Cloudflareの一括遮断機能やアンチBot技術も普及し、エージェントの利用可能範囲が縮小
AI agentsブロック問題の主要事実
近週、Meta「Muse」・xAI「Grok」・OpenAI「Dots」・Instinctのユーザーから、主要ウェブサイトでAIエージェントがタスクを実行できないとの報告が相次いだ。Yelpはデータライセンスプログラムへの参加企業のみにエージェントのアクセスを認め、Delta Air Linesはエージェントによるチケット購入を阻止。JPMorgan ChaseとCharles Schwabはセキュリティ上の懸念からエージェントのアカウントアクセスを遮断したと確認した。Cars.comやAmtrakでも静かに遮断が行われているとみられ、以前は利用できていたユーザーが報告している。
Amazonは昨年、Perplexityのアジェンティック・ショッピング機能を禁止し訴訟を提起した。Amazonは、第三者企業がユーザーに代わって商品を購入することを問題視し、サービスプロバイダーの判断を尊重すべきと主張した。Perplexity側は、AIエージェントはユーザーの「代理人」であり、Amazonが広告視聴者を失いたくないことが真の動機だと反論。裁判所が一時的にPerplexityへの停止命令を出したものの、8月に控訴審で覆された。Amazonはその後、訴状を修正して継続的に争っている。
この法廷闘争の中でもOpenAI・Meta・Googleは独自エージェントをリリースしたが、Amazonから「継続的アクセスがサイトポリシーに違反する」と指摘されるなど同様の問題に直面している。Metaは今月初め、「パーソナルエージェントを拒否することは、その背後にいる顧客を拒否することと同じだ」と反論しつつ、対立より協業を優先する方針を表明。Walmart・Gap・Sephora・Best Buyなど複数のリテーラーと提携し、Museでのショッピングを可能にした。Shopifyもネットワーク上の店舗をAIエージェントに開放している。
アクセス制限はサービス側の意図的なブロックだけにとどまらない。Googleが「不審なアクティビティ」を理由にMuse利用アカウントを制限しているとRedditで報告されており、Metaとパートナー提携しているWalmartでもチェックアウト時の不具合が報告された。AIセーフティ評価企業EquiStampのCEOであるChris Canal氏は「エージェントはBot・スキャム対策の既存システムにも引っかかる」と指摘した。Cloudflareは2025年にAIクローラーを一括ブロックできる機能を導入した後、検索インデックスとAI学習を兼ねたクローラーのブロックも開始しており、インフラ負荷の増大を背景にAIボット全般への対応を強化している。
出典: The Verge(報道)
なぜ重要か(編集部の分析)
編集部の見方では、AIエージェントの「何でも代行できる」という価値命題が、ウェブサービス側の組織的・技術的抵抗によって根本から揺らぎ始めている。EquiStampのCanal氏が指摘するように、利用可能な範囲が狭まるほどエージェントの実用価値は低下する。一方でMetaのように対立より連携を選ぶ戦略が台頭しており、エージェント提供企業とウェブサービス企業との間の交渉・提携が市場の構造を左右する段階に入りつつある。
日本企業への示唆(編集部の分析)
日本企業にとっても二面の課題がある。自社ECや予約システムを持つ企業は、AIエージェントからのアクセスをどう扱うかの方針策定が急務となる。許可すれば新たな顧客接点になり得る一方、不正Bot対策やデータ保護の観点から精緻なアクセス制御が必要になる。逆にAIエージェントを活用して業務効率化を図る企業は、主要プラットフォームがエージェントを遮断した場合のシナリオを想定し、代替手段や提携ルートを事前に確保しておく備えが求められる。Cloudflareのような基盤ツールの普及でブロックのコストが下がっている点にも注意が必要だ。
背景・経緯
AIエージェントはOpenAI・Meta・Google・xAIらが相次いでリリースし、ユーザーに代わりネット上のあらゆるタスクを自律実行することを売りにしている。しかし、ウェブサイト側から見れば広告収益の損失・セキュリティリスク・利用規約上の問題が生じる。AmazonとPerplexityの訴訟はこの対立を法的な争点として浮上させた最初の大きな事例であり、各社のエージェントリリースを経て問題が業界全体に広がっている。
AI agentsについてよくある質問
Q. AI agentsをブロックしている主な企業はどこか?
A. 原文によればYelp・Delta Air Lines・JPMorgan Chase・Charles Schwab・Amazonが明示的にブロックまたは制限を確認しており、Cars.comやAmtrakでも静かに遮断が行われているとみられる。
Q. AI agentsをめぐる法的争いの現状はどうなっているか?
A. AmazonがPerplexityのアジェンティック・ショッピング機能禁止を求めて訴訟を提起し、一度は停止命令が出たものの8月の控訴審で取り消された。Amazonはその後、訴状を修正して争いを継続している。
Q. MetaはAI agentsへのサイトブロックにどう対応しているか?
A. Metaは今月初めの声明で協業路線を優先する方針を示し、Walmart・Gap・Sephora・Best Buyなどのリテーラーと提携してMuseによるショッピングを可能にしている。






