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NTTドコモ、AI EQ+1 Frameworkを策定——音声対話AIに感情指数を付加する評価指針と設計図を公開

公開:2026年10月27日, 最終更新:2026年10月27日

NTTドコモは2026年10月26日、対話型AIに「EQ(感情指数)」の要素を付加するための評価指針「AI EQ+1 Framework」、共通設計図「EQリファレンスアーキテクチャ」、および高EQな対話を実現する4つの要素技術を開発したと発表した。あわせてホワイトペーパー「AI EQ+1 Framework Whitepaper v1.0」を同日公開した。

30秒サマリー

  • NTTドコモがAIの「共感力」を評価・付加する指針と設計図を策定し、ホワイトペーパーを公開
  • 既存のAIモデル本体を作り直さず外側に組み込む設計で、カスタマーサポート・介護・教育等への応用を想定
  • 成人約40名を対象とした実証実験では、EQ要素を取り入れた対話AIで継続利用意向が高まる傾向を確認

AI EQ+1 Frameworkの発表内容と4つの要素技術

NTTドコモは、対話型AIが個々のユーザーの状況や文脈に配慮し、共感力の高いコミュニケーションを実現することを目指し、評価指針「AI EQ+1 Framework」と共通設計図「EQリファレンスアーキテクチャ」を策定した。「AI EQ+1 Framework」は、①基本性能(応答速度等)、②安全性・誠実性(合否判定)、③体験の質(寄り添い・場への適応・キャラクターの一貫性)、④利用による成果(愛着・継続利用意向)の4層でAIの振る舞いを評価する。「EQリファレンスアーキテクチャ」は、LLMの外側に「EQ入力」「EQコントローラ」「EQ出力」「EQガードレール」「EQ自律改善」を配置する設計図で、AIの中核であるLLMを作り直すことなく改善できる点が特徴とされている。

4つの要素技術として、(1)開発者の自然言語による指示からユーザー状態の判断ルールをLLMが自動生成する技術、(2)ユーザーの発話中から応答準備を進め不自然な沈黙を解消するレスポンス高速化技術、(3)寄り添いと安全性を両立する「EQガードレール技術」、(4)蓄積した対話ログを活用して応答品質を継続的に向上させる「EQ自律改善技術」を開発した。音声認識にはNTTの「VoiceOmnia」、マルチモーダル処理にはNTTテクノクロスのAPIサーバ「SpeechRec」(MediaGnosis搭載)、LLM処理にはNTTの「tsuzumi」を活用している。

2026年8月~10月に成人約40名を対象とする実証実験を実施した。EQ要素を取り入れた対話AIでは、1回の音声対話で参加者の発話量が約58字から約83字へ約1.4倍に増加し、体験直後のアンケートで「受け止め(共感)」など4観点すべてでEQありを評価する回答が多かった。10日間の継続利用実験では、EQありグループで「また話したい」などの評価が上昇する一方、EQなしグループでは同評価が低下し、10日目にはEQありがEQなしを上回る結果となった。

AI EQ+1 Frameworkの主な仕様・数値

  • 公開資料名:AI EQ+1 Framework Whitepaper v1.0
  • 公開日:2026年10月26日
  • 実証実験期間:2026年8月~10月
  • 実証実験対象者:成人約40名(実験1・実験2各約20名)
  • 実験1での発話量変化:EQあり条件で1回あたり約58字から約83字へ約1.4倍増
  • 実験2の実施方法:1日1回5~10分の日記形式音声対話を10日間継続
  • 活用LLM:tsuzumi(NTT開発)
  • 展示予定:NTT R&D FORUM 2026(2026年11月18日~20日、24日~25日、NTT武蔵野研究センタ)

出典: NTTドコモ(報道発表)(国内一次)

なぜ重要か(編集部の分析)

編集部の見方では、本フレームワークの意義は「AIのEQを測る物差しと実装手順を標準化した」点にある。従来、音声対話AIの「共感力」は定性的な印象評価にとどまっていたが、4層の評価指針と共通設計図によって開発者が改善箇所を特定しやすくなる。LLM本体を交換・再学習せずにEQを後付けできる設計は、既存サービスに横断適用しやすく、音声AIの品質競争が「IQ(精度・速度)」から「EQ(情緒・継続利用)」へ軸足を移す転換点になり得る。

日本企業への示唆(編集部の分析)

編集部の分析では、カスタマーサポート・介護・教育・エンタメ分野で音声AIの導入を検討する日本企業にとって、本ホワイトペーパーは「共感品質」を調達・評価基準として定義する際の参照軸になる可能性がある。特に、既存LLMを入れ替えずにEQを付加できる設計は、既にAIチャットボットや音声窓口を運用している企業がアップグレードを検討する際のコスト・リスク低減につながるとみられる。ドコモが社外パートナーとの共創を明言していることから、提携・PoC参画を通じた早期活用の検討が選択肢となる。

背景・経緯

対話型AIはこれまで応答精度や処理速度などの「IQ」的な機能向上を中心に発展してきた。一方で、共感や文脈への配慮といった「情緒的価値」を定量評価する手法は業界全体で確立されておらず、機械的な応答や過度な同調が課題とされていた。NTTドコモはNTTグループの音声処理・LLM技術を活用し、この課題に対するフレームワークを独自に策定・公開した。

AI EQ+1 Frameworkについてよくある質問

Q. AI EQ+1 Frameworkは既存のAIモデルに後付けできるのか?

A. 原文によれば、AI EQ+1 FrameworkおよびEQリファレンスアーキテクチャはLLMの外側に要素を配置する設計であり、AIモデル本体を作り直すことなくEQの要素を付加できるとされている。

Q. AI EQ+1 Frameworkのホワイトペーパーはどこで入手できるか?

A. 「AI EQ+1 Framework Whitepaper v1.0」はhttps://www.docomo.ne.jp/corporate/technology/whitepaper_aieq/ で公開されている。

Q. AI EQ+1 Frameworkを使った実証実験ではどのような効果が確認されたか?

A. EQ要素を取り入れた対話AIでは、1回の音声対話でユーザーの発話量が約1.4倍に増加し、共感・自然さ・楽しさなど4観点でEQなしより高い評価を得た。10日間の継続利用実験でも「また話したい」などの評価が上昇し、10日目にはEQなし条件を上回った。

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