公開:2026年10月28日, 最終更新:2026年10月28日
NTTドコモは2026年10月27日、パーソナルエージェントとさまざまなロボットを接続し、人と同じ空間でロボットが安全かつ快適に動作するための「Physical AI連携基盤」を開発したと発表した。
30秒サマリー
- NTTドコモがAIエージェントとロボットを標準プロトコルでつなぐ基盤を開発・発表
- 利用者の属性に基づく権限制御・動作履歴追跡・不快感を与えない振る舞い生成の3機能を搭載
- 2026年11月18日開幕の「NTT R&D FORUM 2026」でデモ展示予定
Physical AI連携基盤の開発内容と3つの技術的特徴
NTTドコモは、人が日常的に利用するAI(パーソナルエージェント)と多様なロボットを接続・制御するための「Physical AI連携基盤」を開発した。同社はその特徴として「連携」「制御」「配慮」の3つの技術を挙げている。
連携面では、AIエージェント同士が協調してタスクを実行するための標準通信プロトコル「A2A」を活用することで、接続方式が異なる複数のロボットに対して個別開発なしに対応できるとしている。制御面では、基盤の中核となる「A2A Gateway」が利用者の年齢などの属性情報と場面ごとのルールを照合し、許可されていない動作をロボットへの送信前に停止する「権限制御」機能を独自開発した。属性情報は基盤内で管理し、ロボットには動作指示のみを送る設計とした。また、いつ・誰の指示で・どの動作を実行したかを記録する「動作履歴の追跡」機能も備える。
配慮面では、ロボット周囲の状況をもとに人に心理的な不安や不快感を与えない動作を自動生成・実行する機能(EQ)を搭載した。原文が例示する飲食店シナリオでは、未成年へのアルコール配膳を自動で回避し、通行人を検知した場合は回避経路を自律的に生成するといった動作が想定されている。
ドコモは今後、本基盤の社内展開やロボットメーカーとの共同研究、さまざまな事業者との実証実験を視野に入れ、実用性の検証を進めるとしている。
Physical AI連携基盤の概要
- 主要技術1:連携:A2Aプロトコルを活用、多様なロボットとパーソナルエージェントを接続
- 主要技術2:制御:A2A Gatewayによる権限制御・動作履歴追跡(独自開発)
- 主要技術3:配慮:周囲状況に応じた不快感を与えない振る舞いの自動生成(EQ機能)
- デモ展示イベント:NTT R&D FORUM 2026
- 展示期間:2026年11月18日(水)〜20日(金)、11月24日(火)〜25日(水)
- 展示場所:NTT武蔵野研究開発センタ B1 イベントホール(展示番号:C10)
出典: NTTドコモ(報道発表)(国内一次)
なぜ重要か(編集部の分析)
編集部の見立てでは、本基盤の意義は「ロボットの安全制御をAIエージェント側が担う」点にある。従来はロボットごとに制御ロジックを作り込む必要があったが、属性情報を持つパーソナルエージェントが上位で判断することで、複数ロボット・複数シーンへの横断的な安全管理が可能になる。ロボット導入の最大の障壁である「人との共存リスク」に対し、ソフトウェア基盤側で対処するアーキテクチャとして注目される。
日本企業への示唆(編集部の分析)
編集部の分析として、飲食・物流・小売・医療など人とロボットが同一空間で働く業種にとって、本基盤は導入検討の実証段階に入る好機といえる。特に権限制御(誰に何を提供してよいか)と動作履歴の追跡(説明責任)は、コンプライアンスや労働安全衛生規則の観点で経営層が求めていた機能であり、ロボット導入の意思決定を後押しする可能性がある。ドコモが共同研究・実証実験のパートナーを募る姿勢を示している今が、自社ユースケースを持ち込む適切なタイミングとみられる。
背景・経緯
原文によれば、近年のAI技術進化に伴い工場・店舗・家庭などでのAI・ロボット連携活用への期待が高まっている一方、ロボットごとの接続方式の差異・動作可否の判断機構の欠如・人への心理的不安の3課題が普及を阻んでいた。本基盤はこれら3課題に対応することを開発の主眼としている。
Physical AI連携基盤についてよくある質問
Q. Physical AI連携基盤はどのようなプロトコルでロボットと接続するのか?
A. 複数のAIエージェントが協調してタスクを実行するための標準通信プロトコル「A2A(Agent-to-Agent)」を活用する。これにより接続方式が異なる多様なロボットに対して個別開発なしに対応できるとドコモは説明している。
Q. Physical AI連携基盤の権限制御はどのように機能するのか?
A. 基盤の中核となるA2A Gatewayが、利用者の年齢などの属性情報と場面ごとに登録されたルールを照合し、許可されていない動作をロボットへの送信前に停止する。属性情報は基盤内で管理し、ロボットには動作指示のみを送信する設計となっている。
Q. Physical AI連携基盤のデモはどこで見られるのか?
A. 2026年11月18日〜20日および24日〜25日に開催される「NTT R&D FORUM 2026」のドコモブース(NTT武蔵野研究開発センタ B1 イベントホール、展示番号C10)で体験できる。




